@article{oai:sapmed.repo.nii.ac.jp:00014060, author = {旗手, 俊彦}, journal = {札幌医科大学医療人育成センター紀要 = Journal of center for medical education Sapporo Medical University, Journal of center for medical education Sapporo Medical University}, month = {Mar}, note = {現在の日本の移植医療のレベルは、世界で最も高いにもかかわらず、移植件数は決して多くはなく、逆に、近年はやや停滞しつつある。その背景として、日本の移植医療がたどった特殊な経緯を挙げなければならない。日本の移植は、1968 年に行われたいわゆる和田心臓移植により大きく運命づけられることとなった。すなわち、多くの疑惑を招いた和田心臓移植の結果、移植医療、そしてその前提となる脳死の位置づけに関して他国には見られない紆余曲折を経ることとなったのである。まず、脳死を人の死として認めてよいかどうか自体から国内で意見が分かれ、政府レベルで調査会を設置して議論することとなった。その調査会では、脳死は人の死として医学的には評価しうるとの結論が示されたが、なお、脳死判定および脳死移植には、医師の恣意が介在する可能性が否定し切れないとの意見が根強く、脳死の取扱い及び移植医療の適否に関しては、法律によって明確に規定されるべきとの対応により一応の国民的合意をみることとなったのである。このようにして、1997 年に臓器移植法が成立・施行されることとなった。しかし、和田心臓移植の反省から、臓器移植法の内容は脳死判定及び移植の条件を極めて制限的な内容にした結果、日本の脳死移植は一向に件数が伸びなかった。そこで、2007 年に臓器移植法が改正され、遺族同意のみでも脳死判定および移植が可能とするなど、制限を緩やかにした内容に改められた。しかし、なお、臓器移植の件数はほとんど伸びずに、今日にまで至っている。その理由としては、改正後もなお臓器移植法の解釈・運用が極めて厳格なことや移植医療を支援する体制がなお十分とはいえないことが考えられる。本稿は、改正前後の臓器移植法の内容を検討するとともに、改正後の今日の日本の移植医療に関しての課題を抽出することを目的とする。また最後に、日本の移植医療を一層発展させるための具体策も提案する。}, pages = {13--20}, title = {頭打ちになりつつある日本の移植医療を推進させるために}, volume = {10}, year = {2019} }