@article{oai:sapmed.repo.nii.ac.jp:00013577, author = {船木, 祝}, issue = {6}, journal = {札幌医科大学医療人育成センター紀要 = Journal of center for medical education Sapporo Medical University}, month = {Mar}, note = {カントは、長い思索過程の中ようやく独自の人間性の概念を形成していった。1770年代半ば頃のカントは、人間性のうちにある悪性が人間の活動欲を鼓舞し、そのことによってかえって個人の才能が開花され、技術や学問の発展がもたらされると考えていた。そして、礼儀正しさや名誉といった外面的道徳的強制の基、文明化を推し進めていければいずれ完全な市民的社会体制が実現しうるものと考えていた。しかし、1780年代のカントは、文明化が推し進められると、各人の自由に歯止めを活かすことができなくなり、新たな害悪を拡大することになると主張する。したがって、単なる文明化は市民社会を瓦解させると考えるようになる。そこからカントは、外面的道徳的強制ではなく、人間性のうちなる道徳性が文明化の条件として上位に位置づけられなくてはならないとの洞察に至る。そこには、個人の視点から社会全体の視点に立った、カントの深化した思索が認められるのである。}, pages = {9--16}, title = {「人格の内なる人間性」についてのカントの思想形成 : 「個人」の道徳から「社会」の道徳へ}, year = {2015} }