@article{oai:sapmed.repo.nii.ac.jp:00012934, author = {秋江, 研志}, issue = {1}, journal = {市立札幌病院医誌 = Acta medica nosocomi Sapporo = The Journal of Sapporo City General Hospital}, month = {Oct}, note = {肺癌領域で初の分子標的治療薬であるゲフィチニブの登場から10年が経過し、肺癌に対する様々な分子標的治療薬の知見が集積されてきた。上皮増殖因子受容体(EGFR)チロシンカイネース拮抗剤であるゲフィチニブとエルロチニブはEGFRに特定の遺伝子変異を有する肺癌に著効する。このような遺伝子変異を有する肺癌では薬物治療の第一選択にゲフィチニブを使用することが常識となった。また、発癌の過程で生じた複数の遺伝子変異の中で、細胞増殖に最も寄与する遺伝子をoncogenic driver geneと命名し、ゲフィチニブ著効例における変異型EGFRとゲフィチニブの関係のように、個々の肺癌症例におけるドライバージーンの同定とその阻害剤の開発が進んでおり特に肺腺癌において次々と成果を上げている。すでに発売されているクリゾチニブはALK融合遺伝子やRos-1融合遺伝子を有する肺癌に著効する。さらにMETやBRAF、K-ras等に対する阻害薬も開発中で今後の肺癌治療は個別化治療としてドライバージーンとなる遺伝子変異を同定しそれに応じた治療薬を使用する方向性が固まりつつある。またドライバージーンとは別に血管内皮増殖因子に対するモノクローナル抗体であるベバシズマブが腺癌において化学療法との併用で奏効率の改善と無病生存期間の延長をもたらすことが証明され臨床で使用されている。扁平上皮癌や小細胞癌についてもドライバージーンの検討はなされているが現状では有効な治療に結びついていない。}, pages = {7--11}, title = {肺癌の分子標的治療(特集分子標的薬を用いた治療戦略)}, volume = {72}, year = {2012} }